ハラスメント問題は、非常に繊細
あなたの価値観では大丈夫なことでも、ハラスメントになり得ます
ハラスメントとは、嫌がらせや人を困らせることを意味します。自分の行動によって相手が不快に感じれば、それだけで最広義のハラスメントにあたり得ることになります。ただ、人は、知らず知らずのうちに相手を傷つけることがあります。自分が悪いと思っていない行動でも、人を傷つけてしまうこともあります。
法的(民事上)には、故意・過失がなければ、ハラスメントによる不法行為責任(民法709条)を負うことはありません。とはいえ、自分では大丈夫だと思った言動であっても、客観的には軽はずみな心無い言動に見えて、相手を深く傷つけてしまった場合、「有過失」として、ハラスメントによる不法行為責任を負うことはあり得るのです。では、どこからが軽はずみな心無い言動なのかという明確な境界線は、今のところ無いと言わざるを得ません。裁判例においても、その境界線は微妙なものなので、実際に裁判になってみなければ分からないケースが多いのです。
多種多様なハラスメント
現在、ハラスメントには、様々な種類があるといわれています。一例を挙げると、次のようなものがあります。
- セクシャルハラスメント(性的嫌がらせ)
- パワーハラスメント(上司などからの嫌がらせ)
- モラルハラスメント(無視や精神的圧力をかけるなどの精神的嫌がらせ)
- ジェンダーハラスメント(男らしさ・女らしさを強要するなどの嫌がらせ)
- アカデミックハラスメント(大学教授などからの立場を利用した学校内での嫌がらせ)
- スモークハラスメント(タバコの嫌いな人の近くでタバコを吸うなどの嫌がらせ)
- アルコールハラスメント(お酒の場への強要、一気の強要などの嫌がらせ)
- エイジハラスメント(年齢に関して嫌味を言うなどの嫌がらせ)
- マリッジハラスメント(結婚していないことに対して嫌味を言うなどの嫌がらせ)
- マタニティハラスメント(妊娠している女性に対する嫌がらせ)
- スメルハラスメント(匂いで他人を不快にする嫌がらせ)
- 就活終われハラスメント(内定者に対し就活をやめるよう圧力をかける嫌がらせ)
- ゼクシャルハラスメント(交際者に対し結婚を迫って心理的負担を与える嫌がらせ)
- カスタマーハラスメント(店員に対し高圧的に出たり土下座をさせる嫌がらせ)
などなど、他にも多種多様なハラスメントが定義されています。
非常に高い賠償額
ハラスメントで裁判になった場合、その賠償額は、高額になる場合もあります。
セクシャルハラスメントの場合、身体的接触がない事案であっても、10万円~100万円程度の損害賠償を認めている裁判例が多く、身体的接触がある事案では、100万円以上の損害賠償を認めた事案も比較的多く、悪質なものについては300万円を超える損害賠償が認められた事案もあります。また、パワーハラスメント、アカデミックハラスメントにおいても、暴力を伴うものや長期間にわたるハラスメントについては、比較的高額な賠償が認められており、行為態様が悪質なものについては、300万円を超える損害賠償が認められた事案もあります。
弁護士への相談は必須
ハラスメント問題で難しいのは、ハラスメントをした当事者と被害者の二者間の話で収まらないところにあります。ハラスメントをされた被害者は、最初に、勤務先の会社や通学している学校に対して被害を訴えることが多いです。しかし、会社や学校のコンプライアンス態勢によっては、会社や学校も責任を負う立場になりうることがあります。会社や学校の世間的な評価という問題もありますので、公平な仲介者を期待するのは難しいところがあります。ハラスメントをされた側にとっては、会社や学校の都合で、被害が隠蔽されてしまう可能性もありますし、ハラスメントをした側にとっても、世間体を気にして必要以上に厳しい処罰を課される可能性もあります。
ですので、公平公正な解決のためには、第三者的な立場から物事を見ることができ、かつ、ハラスメント問題について精通している弁護士に相談することが必須なのです。
ハラスメント問題で苦しまれるお気持ち、心よりお察しいたします。自分だけでいくら悩んでも解決に至るのは困難です。ハラスメント問題は、他人に相談しにくいことですが、一度相談していただければ、驚くほどお気持ちは楽になると思います。更に、解決への道筋を一緒に考えさせていただくことができます。
ハラスメントを受けてお困りの方も、ハラスメントしてしまって悔いておられる方も、一度ご相談ください。私は、両方の立場の方々から日々ご相談を受けている立場として、公平公正に的確な助言をさせていただきます。
費用について
相談料:
30分まで5500円(税込)
60分まで11000円(税込)
以降30分あたり5500円(税込)
相手方との示談交渉:
22万円(税込)~ + 成功報酬(事案により異なります)
調停・訴訟:
着手金44万円(税込)~ + 成功報酬(事案により異なります)